生まれて初めて買ったレコードが Carpenters の Yesterday Once More。
私がまだ小さい子供だった頃、それは私にとって全財産に匹敵する金額だった。
そのお金を手に握り締め、レコードショップへ向かった。レコードを落とさないようにしっかり手に持ち、会計へ差し出す時、胸がドキドキしたのを今でも覚えている。
最初にこの曲を聴いたのはラジオだった。親に頼んで買ってもらったラジオ。確かソニーのスカイセンサー。それを布団の脇におき、いつも寝るときはラジオをイヤホンで聴いていた。
考えてみると当時から洋楽は好きだった。もちろん歌詞の意味は分からない。でも、そのサウンド、言葉というより声を使ったサウンドが耳に心地よかった。
ある時この曲に出会った。当時流行ってた曲なので偶然というよりは必然だろう。ただ、それまではラジオで聞くだけで満足してたのに、どうしてもこの曲だけはレコードを手に入れたくなった。
なんだろう、この想いは。胸からこみ上げてくる熱い想い……。レコードを買う決心をした。
人と音楽との出会いってなんだろう。
いろんな出会いがあるだろうし、いろんな意味があると思う。
ただ、初めて買ったレコードというのは、その人にとって大きな意味があるように思う。
この曲との出会いがなければ、ギターを弾くことも、アメリカで生活することもなかっただろう。今知り合えた数多くの友人とも出会えなかったに違いない。
最初に出会った曲が Yesterday Once More でよかった。